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国ごとの皮革の特徴

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国の文化が皮革にも表れる

革好き女子の私。皮革関連の記事をさぼっていたら、多くの革好きの方たちの記事情報がWEBに上がっていました。今更ですが、自分の頭を整理するため、各国で作られる皮革の特徴をあれこれとまとめてみます。乗馬

イギリス

イギリスでは古くから上流階級に属する貴族や領主が、乗馬やポロ競技を趣味としたため、馬具に用いるための耐久性に優れたレザーが必要とされていました。その目的でつくられたのがブライドルレザー(乗馬の馬具用に使用される革)です。

ブライドルレザーは、ナチュラルタンニンなめしを施し、蜜蝋や獣脂、植物油をしみ込ませます。使い始めは、ブルームと呼ばれる蜜蝋の白い粉が革全体にかかっていますが、蜜蝋が溶け出すことで革の艶感が徐々に増していきます。やがて、使い込めば込むほど黒光りするような艶を放ちます。

イギリスには、ブライドルレザー手掛ける名門タンナーが多く、有名なところでは、ベイカー社の「フルグレインブライドルレザー」です。堅牢で耐久性が高く、特殊な製法により皮革の表面(ギン面)をそのまま残しています。ギン面を残しているので強度が高く、表情が荒々しく表情豊かな風合いが特徴です。フルグレインブライドルレザーの強靭さはいうまでもありませんが、長年使用してもコシが抜けにくく、適度な柔軟さを持ち比較的傷がつきにくいという性質を持っています。

イタリア

トスカーナ地方を中心に、数多くのタンナーが中世の頃から生まれ、皮革産業の発展を支えてきました。現在のイタリアのタンナーは、数千ともいわれています。

トスカーナ州にあるワルピエ社のブランド「ブッテーロ」は、ステアハイドの肩の堅いところを使用しています。ステアハイドは、生後3カ月から6カ月の間に去勢された、生後2年以上の牡牛の革です。肩の面積は少ないので、1頭の牛からとれる量は少なく貴重です。植物性のタンニン鞣しで革を鞣します。ブッテーロは、ハリとコシがあり、シボがなくスムースな革として上級ランクに位置しています。
さらに、イタリアならではの染色技術を用いて、ブラック、キャメル、グリーン、赤などの豊富な色が揃っています。

同じくトスカーナ州にあるバダラッシィ・カルロ社のブランド「ミネルバリスシオ」も有名です。10世紀以上の歴史をもバケッタ製法を用いて、手鞣しと手染めで仕上げています。ミネルバリスシオの特徴は、使われているるオイルに牛脂を使用している点です。牛脂は1度浸透するとオイルが抜けないので、潤いと艶がほぼ永久に楽しめます。しかも、ミネルバリスシオの革の密度は高く上質です。

アメリカ

有名なタンナーは、シカゴで100年以上の歴史を持つ、ホーウィン社です。伝統的ななめし技術を生かした、代表的なレザーは2つあります。

「シェルコードバン(馬革)」は、革のダイヤモンドと呼ばれるほど輝きある光沢を放ちます。コードバンは、馬の臀部にある繊維が非常に細かく高密度の場所を削り出した革です。繊維が細かいことから、滑らかでしっとりとした質感を持ちますが、逆に丈夫で破れにくい性質もあるのです。たっぷりとオイルが含ませ、磨かれて艶感が増し、さらに経年変化によりつやに美しい光沢が生まれます。その姿は、ダイヤモンドに例えられるほどです。

「クロムエクセルレザー(牛革)」は、ステアハイドを使用しています。生後3カ月から6カ月の間に去勢された、生後2年以上の牡牛の革のステアハイドは、去勢されているために肉厚で革質は柔らかで、牛革の中で一番の堅牢です。牛肉をよく食べるアメリカでは、食用牛肉に使われることが多いために、比較的安価といわれています。

ステアバイドは、タンナーの選別によって選ばれた原皮をコンビなめしを行い、牛脂、蜜蝋、植物性脂、魚脂をブレンドしたオイルをしみ込ませています。そのため手になじみやすく、強さと逆に優しい印象を持つようです。

日本

日本のタンナー(皮革製造工場)は、300余りあります。中でも有名なタンナー2つは、次の通り。

日本独自の最高品質レザーといわれている「双鞣和地(そうなめしわじ)」は、通常の工程の数倍手間をかけ、しなやかさと堅牢さを併せ持っています。伝統的な鞣し技術と革新的な手法を融合させることで、ブルタンニン二重鞣しを行っています。美しい経年変化も間違いなしです。
原皮は国産牛を使い、ストレスを少なく肌目もキメが細かくきれいな事が特徴です。

姫路の「新喜皮革」が手掛けるシェルコードバンも、アメリカのホーウィン社と並び、世界的に評価が高くなります。新喜皮革は、馬革専業のタンナーです。原皮は欧州の馬革取り寄せ、コードバンとホースハンドの鞣しから仕上げまでの工程を行っています。
1カ月かけてタンニンを革に浸透させ、革に負担をかけずに肌目を作り上げていきます。美しいエイジング効果は、時間をかけて作りこまれていきます。


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